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TDBC事務局レポート 2025

  1. 2025.10.30 - 第28回会合レポート(方針発表会)

    今年度の9グループ(WG05は3つの分科会)が発足しました。それぞれのキックオフミーティングも終了し、課題の設定や活動方針がまとまりました。今回の会合は会場とオンラインのハイブリッド開催で、『WG方針発表会』 として開催し各グループからその内容を発表頂きました。開催の冒頭にて、鈴木事務局長より、2024年度の活動に対する貢献への感謝状の授与の発表と、TDBC表彰者の発表があり、それぞれ、小島代表理事より、感謝状と表彰状が授与されました。続いて、基調講演として、流通科学大学名誉教授/一般社団法人フィジカルインターネットセンター(JPIC)理事長の森 隆行 様より、「フィジカルインターネット“究極のオープンな共同輸送・配送”の実現に向けて」題しましてご講演をいただきました。新規入会の会員5社より、企業紹介をいただきました。その後、各ワーキンググループより2025年度の活動方針が発表されました。六本木会場とオンライン視聴にて135名の皆様に参加いただきました。[感謝状の贈呈] 2024年度の活動への貢献に下記のワーキンググループへ感謝状が贈られました。ワーキンググループ04 「人材、働き方改革、荷主とのパートナーシップによる2024年問題の対応」リーダー:菱木運送株式会社 菱木 博一 様サブリーダー:株式会社フルバック 久長 正憲 様表彰理由物流の2024年問題に2022年から取り組み、荷主、運送事業者とのパートナーシップを前提に荷待ち時間に着目して時間の短縮と、荷待ち時間短縮の解決策として推進されているバース予約システムの課題解決に取り組み、荷主、運送事業者会員の協力を得て、調査および協議を実施し、成功事例、課題を整理した「荷待ち時間ゼロガイドライン」を公開。また活動の成果を基に新物流2法改正に関するパブコメに対し積極的に意見提出を実施。その結果、より理想的な運輸業界のあるべき姿の実現に貢献しました。意義物流の2024年問題の解決に向けて、自らが積極的に活動し、行政や業界、メディアに働きかけをすることで、誰かがではなく、自らが業界のあるべき姿の実現に貢献し、実践できることを実証しました。ワーキンググループ06「業界共通プラットフォームへのデータ連携によるその先へ」リーダー:株式会社新宮運送 木南 晋一 様サブリーダー:センターフィールド株式会社 原島 啓輔 様表彰理由デジタル化やDXで遅れをとっている運送業界において、社内のシステム間データ連携を「コンセント」をコンセプトとして検証環境を構築し、さまざまな実証実験を実施。更には、物流の2024年問題解決に向けた新物流2法で求められる荷主、運送事業者間の連携のための企業間のデータ連携に向けた「物流情報標準ガイドライン」での標準化の推進など、先進的な取り組みを実施いただきました。意義新物流2法では、発着荷主、運送事業者間の連携による物流の効率化等が求められており、その実効性を確保するためにデジタル化やデータ連携、標準化の活用が求められています。既に、新物流2法は本年4月1日より施行されおり、WGの取り組みは、持続可能な物流の実現のための荷主、運送事業者間の連携実践のための仕組みとして今後社会実装、展開されることを期待しています。[TDBC表彰] TDBC協議会規則第8章に基づき、これまでのTDBCでの活動を通じて、顕著な活動を行い、課題解決の社会実装を果たした「協議会会員、および協議会活動に協力した企業、団体、個人」に贈られます。TDBC発足を通じて初めての受賞となります。株式会社AGC 田中 真史 様WG05A 共同輸送ユニバーサルシステム「traevo noWa」活用分科会リーダー2022年1月にTDBCに入会し、WG05「動態管理プラットフォームの社会実装と活用」ワーキングループに参加いただきました。将来の輸送需要拡大に対する輸送力の低下により荷主企業として自社の物流危機を抱き、物流全体として積載率を高める必要性を訴え、traevoを利用した共同輸送データベース化構想を提案いただく。2022年度WG05の分科会として「共同輸送DB構築」分科会を設立しリーダーとして推進いただきました。2024年までデータ連携の実証実験、プロトタイプの仕様立案、会員による異業種間の共同輸送の実証、2024年には経産省補助事業に採択されサービスインに向けたシステム改修を行い、2025年8月1日に「traevo noWa」としてサービスインしました。この取り組みが、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の2025年度ロジスティクス大賞を受賞しました。物流効率化法における積載効率向上は荷主企業が果たす判断基準に「配送の共同化、運送の帰路における車両への貨物の積載」に関して規定されており、共同輸送への期待は大きく、安価に使い勝手のよいサービスのリリースに尽力いただきました。荷主企業である自社の課題解決のみならず、会員の皆様との共創を体現した物流全体の課題解決と持続可能な未来の創造の実現に当会として表彰いたします。[基調講演 フィジカルインターネット“究極のオープンな共同輸送・配送”の実現に向けて] 流通科学大学名誉教授一般社団法人フィジカルインターネットセンター(JPIC)理事長森 隆行 様[新規会員 ご挨拶 5社] ・株式会社ZEAL 小谷 太一 様・株式会社ディ・クリエイト 上西 一美 様・株式会社ニップン 植田 正知 様・ハコベル株式会社 渡辺 健太 様・パーソナル情報システム株式会社 傍島 昌代 様[各ワーキンググループから今年の活動方針発表] 各ワーキンググループの発表は、それぞれのワーキンググループのページで公開しています[WG09 持続可能な運輸事業者への転換 (SDGsの推進)] カーボンニュートラル、人材確保、コンプライアンス対応で選ばれる運輸事業者への転換を目指す幣旗 貴行 様(株式会社セイリョウライン)発表資料、動画[WG08 無人AI点呼実現への挑戦] 乗務前点呼での非対面・無人点呼実現に向けて、特に乗務員の健康状態の確認にフォーカスしてAI、各種生体センサー等による実証、開発による社会実装を目指す。大河原 裕尊 様(大河原運送株式会社)発表資料、動画[WG07 超遠隔操作による無人化施工の普及と一般土木工事への活用に向けた連携] 超遠隔技術を活用した無人化施工を一般土木工事に普及させることで、現場の安全性向上、労働環境の改善、そして新たな人材の創出と育成を実現する。また、場所を問わない企業間連携を強化し、業界の持続的成長を支える基盤を築くとともに、e建機チャレンジを通じて市場の認知向上を目指す。山本 雅 様(植村建設株式会社)発表資料、動画[WG06 生成AIを取り入れた新しい物流連携による「現場DXの実現」] コンセントの様に連携できる世界を実現するために、CSVデータ、荷主データの加工などのデータ活用を生成AIやAPIデータ連携で時間短縮や作業効率向上に繋げる。配車業務やバックオフィス業務における小さなDXを実現する。木南 普一 (株式会社新宮運送)発表資料、動画[WG05 動態管理プラットフォーム(traevo)を活用した持続可能な物流の実現] 動態管理プラットフォームの普及と活用により荷主企業や運輸事業者の課題解決実現し、持続可能な物流や公共交通の実現を目指す。WG05では、3つのテーマで分科会に分かれてそれぞれ活動します。駒形 友章 様(株式会社首都圏ホールディングス)発表資料、動画[WG05A 共同輸送ユニバーサルシステム「traevo noWa」活用分科会] 輸送力不足による需給逼迫に対して、共同輸送ユニバーサルシステム「traevo noWa」を活用した積載効率向上と環境負荷低減を推進し、その先のフィジカルインターネットを目指す。田中 真史 様(株式会社AGC)発表資料、動画[WG05B 動態管理プラットフォームを活用した積載効率の改善とカーボンニュートラルの実現分科会] 動態管理プラットフォームの普及と活用により荷主企業や運輸事業者の課題解決実現し、持続可能な物流や公共交通の実現を目指す。本分科会(カーボンニュートラル分科会)では、運行データと積載伝票データを連携させ、CO2排出量を可視化することで、積載率の向上、経路の最適化、荷待ち時間の削減等を行い、物流政策パッケージの実現とサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを目指す。間地 寛 様(株式会社アスア)発表資料、動画[WG05C 持続可能な農業を実現するための青果物流の課題解決分科会] 誰が・いつ・どこに取りに行くか見えない属人的な手配や、荷主ごとに異なる非効率な集荷対応を、現場と共に“見える化・共有”し、商流と物流の連携による持続可能な生鮮物流モデルを目指す。石井 崇博 様(イーサポートリンク株式会社)発表資料、動画[WG04 荷主とのパートナーシップによる2024年問題の解決と、働く環境の改善] 運送契約の書面化デジタル化、受発注データの連携、正確な荷待ち荷役時間の算出で適正な運賃収受を実現していく。事前出荷情報など荷主と運輸事業者間のデータ連携など生成AIも活用し生産性向上を目指す。菱木 博一 様(菱木運送株式会社)発表資料、動画[WG01 事故ゼロ実現に向けた称賛と指導による安全文化の醸成] 運送事業者の行動変容と荷主企業を巻き込んだ安全対策の実現を目指す。馬渡 恒太朗 様(松浦通運株式会社)発表資料、動画[WG02 健康経営の推進と健康課題解決] 運輸業界における健康経営を推進し、健康課題に対する解決策の実証実験を実施する。各社の取組事例、成果の発信により、健康経営優良法人の認定を目指し健康で安心・安全な業界の実現に貢献する。小島 薫(TDBC)発表資料、動画[WG03 新たな人材確保と教育、働き方(外国人ドライバー)] 外国人ドライバーの採用と教育のナレッジの共有化、トラック・バス・ダンプ・タクシーなど業界を越えたドライバーズキャリアアップデータベースなど業界全体の人材確保のための施策を検討する小島 薫(TDBC)発表資料、動画[TDBC最新報告 (小島代表理事)]

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  2. 2025.03.18 - 第27回会合レポート(2024年度中間発表会)

    9月のキックオフからのべ429名のメンバーが各ワーキンググループごとに協議、実証実験等の活動に参加しています。全9グループの代表が活動の中間発表を行いました。今後、ワーキンググループは7月11日に開催されるTDBC Forum 2025での成果発表に向けて活動を進めていきます。発表資料は中間時点の内容の為、一般公開しておりません。会員の方のみへの共有となります。[新規会員挨拶] 田中電気株式会社 結城 稜大 様植村建設株式会社 山本 雅 様ユーピーアール株式会社 市川 孝幸 様eMotion Fleet株式会社 白木 秀司 様古野電気株式会社 西村 正也 様[各ワーキンググループから活動の中間報告] [WG01 事故撲滅と実現のための管理者、乗務員教育] 事故撲滅のために管理者育成、乗務員の安全教育、行動変容モデルの構築をめざし、SSCV-Safety、TRUE SAFE、モービルアイを使った実証実験を基に、1.社内における運用ルールの徹底力、および文化醸成、2.別拠点や他社への水平展開手法、3.発荷主・着荷主との連携、を目指す取り組みの現状報告をしていただきました。ロジスティード株式会社 和田 康宏 様ジャパン・トゥエンティワン株式会社 近藤 勇真 様矢崎総業株式会社 木村 大志 様[WG02 健康経営の推進と健康課題解決] 乗務員のための健康セミナー(月次)の紹介、今年度のテーマ「SAS」に関する実証実験について途中経過の説明・報告をしていただきました。株式会社ネミエル 松本 光浩 様 X Detect株式会社 久保 憲治 様リアライズ・イノベーションズ株式会社 小林 延行 様[WG04 人材、働き方改革、荷主とのパートナーシップによる2024年問題の対応] 荷待ち、荷役時間の把握と削減へ取り組んでいる運送事業者と荷主企業の双方の事例が紹介していただきました。菱木運送では、自社で開発した「乗務員時計」と利用した事例、本田技研工業では、自社の発着ににおける荷待ち削減への取組状況を発表いただきました。菱木運送株式会社 菱木 博一 様本田技研工業株式会社 永野 岳人 様[WG05 動態管理プラットフォーム(traevo platform)の社会実装と活用] [WG05A 共同輸送データベース構築と その先のフィジカルインターネットの推進] 共同輸送DBの開発状況の報告をしていただきました。自社輸送データ分析機能、コミュニケーション機能を拡充など。AGC株式会社 田中 真史 様[WG05B CO2排出量の精緻化を通じた物流改善と その先にあるカーボンニュートラルの実現] 物流効率化法の改正により、脱炭素社会の実現への寄与と積載率の向上が努力義務となり、物流政策パッケージの実現とサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを目指すための鈴与カーゴネットによる実証実験の途中報告を行っていただきました。株式会社アスア 間地 寛 様[WG05C 生鮮物流の課題解決に向けた取り組み] 今年度新たに創設されたワーキンググループとして、生鮮物流の現状と課題を共有し、解決に向けたソリューションの開発状況と実証実験の予定が伝えられました。イーサポートリンク株式会社 石井 崇博 様[WG06 業界共通プラットフォームへのデータ連携によるその先へ] 最終ゴールを「物流2法に対応できるデータの利活用を促進する仕組み」とし、データ連携によって小さなDXを積み重ねていくことの共有をいただきました。株式会社ハルテGC様の事例を紹介し、ハルテGC様の新物流2法への対応が複数サービスの連携により実現されていること、さらに、株式会社新宮運送様が抱える課題の解決策の実証実験の内容を共有いただきました。株式会社新宮運送 木南 普一 様[WG07 遠隔操作・自動化で実現する安全・安心な作業現場と迅速な災害対応] 昨年10月24日に開催され、テレビ放映、建設業界誌でも紹介された第3回e建機チャレンジ2024の開催報告をいただき、民放TV局によるe建機チャレンジの紹介、会員企業の取組、遠隔操作の実現場での施工の状況を共有いただきました。7月16日からの関西万博でのe建機チャレンジの実演、講演、体験イベントを行うことが発表されました。伊藤忠商事株式会社 池田 靖 様[WG08 無人AI点呼実現への挑戦] バイタルデータの取得を実際の点呼で行う実証実験とそのデータのAI解析の状況について共有いただきました。今後、システムを社会実装するために必要なことやさらなるデータ取得と解析が必要であることの共有により、今後のスケジュールと協力者の呼びかけを行っていただきました。大河原運送株式会社 大河原 裕尊 様[WG09 SDGsの推進と、カーボンニュートラル・エコドライブの実現] LocationMindによる「高精度GPS 受信機を利用した経路ごとのCO2 排出量可視化や CO2 削減の提言」への実証実験状況、アルファスによるについて燃費向上、CO2 削減、 NOx ・ PM 削減、メンテナンスコスト削減等の効果が得られるChange Fuelの実証実験の報告をしていただきました。「中小運輸事業者が目指す、CO2 排出量の可視化」の取組においては、今後実証実験を行うこと、SDGsナレッジバンクの公開、SDGs啓発セミナーの開催を共有いただきました。三井住友海上火災保険株式会社 藤田 大輔 様LocationMind株式会社 五十嵐 尚輝 様アルファス株式会社 引地 浩 様[事例発表 「物流2法施行で求められる積載効率、CO2排出量の可視化」] 株式会社アスア 間地様のファシリティにより、トヨタモビリティ―パーツ株式会社 大阪支社長 木村 俊一 様をお迎えしトヨタモビリティ―パーツ様が取り組んだCO2排出量の可視化の事例をトークセッション形式でお話いただいた。株式会社アスア 間地 寛 様トヨタモビリティ―パーツ株式会社 木村 俊一 様[事務局より 最新情報と今後の活動について] WG03 「ライドシェアなどの新たな取り組みによる公共交通の未来への挑戦(仮)」の新設の発表、昨年公開された「物流革新に向けた政策パッケージ」の具体化となる「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)」と「貨物自動車運送事業法(運送事業法)」改正内容のポイントを解説。一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会 代表理事 小島 薫

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  3. 2025年1月9日 TDBC賀詞交歓会を開催

    2025年1月9日 16:30より賀詞交歓会を開催しました。第1部年頭あいさつ TDBC事務局長 鈴木正秀新春対談 運送事業者の行動変容が問われる2025年 TDBC代表理事 小島薫/株式会社ローランド・ベルガー パートナー 小野塚征志氏第2部歓談参加者は95名(内メディア7名)でした。年頭あいさつでは、事務局長鈴木正秀より、4月に新物流2法が一部施行され、本年は非常に重要な転換期を迎えることになる。物流業全体としてDXへ立ち遅れておりTDBC事務局として皆様の活動の結果を業界全体に広く伝えていきたい」と述べた。さらに、通信型デジタコ普及推進のための団体として一般社団法人通信型デジタル式業務・運行記録計等推進協議会(BODC)の設立をお伝えした。小島代表理事からはTDBCの最新情報として、生鮮物流の課題解決に向けた新たなワーキンググループの創設と旅客分野における日本版ライドシェアへの取り組みをWG03で行うことが紹介された。また、WG05Aでの共同輸送デジタルマッチングシステム構築の実証実験について報告された。新春対談として、改正物流効率化法の荷主・物流事業者等に対する規制的措置の施行に向けた検討のための3省合同会議委員の株式会社ローランド・ベルガーの小野塚征志氏と3省合同会議での議論の様子や小野塚氏の物流課題に関する見解などをお話いただいた。

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