2018.10.23 – 第12回会合レポート 【会合テーマ】人材の確保
- ハッシュタグ
「2030年の運輸業界は21万人の人手不足に見舞われる」という予測データがありますが、今すぐにドライバーが足りない、と苦慮される企業が大多数ではないでしょうか。今回は「人材の確保」をテーマに、45社59名が参加、ユニークな取り組みや地域密着の施策など、成功された事例を共有しました。
「オタク採用」
株式会社西三交通 専務取締役 廣 慎一郎 氏
求人サービスサイト等を活用しても応募者がなかなか増えない、内定を出しても辞退される。そこで「在宅、引きこもりの人達を採用できないか」「興味を持ってもらうきっかけにならないか」という観点で「オタク募集」と銘打って募集したところ応募が急増した。採用した社員に聞くと実際にオタクかどうかというよりも、「自分にも大型バスのドライバーができるかも」と、応募のきっかけになったと言われた。応募のハードルを下げるのに「オタク募集」のキーワードが大きな効果を発揮し、さらに若手採用の順調な伸びは、会社全体に活気や明るさをもたらしてる。
「トラック業界の現状と生きる変化に求めるもの」
東京都トラック協会 常務理事 遠藤 啓二 氏
トラック運送業を取り巻く課題として、国内輸送量の減少、軽油価格の乱高下、荷物の小口化、少子高齢化など様々な変化がる。一方で自動車NOx・PM法対応や東京都の排ガス規制に対応し、プロドライバーは環境と安全を真摯に取り組み、胸を張れる実績を残している。
今後、トラックドライバーは、超プロフェッショナルとセミプロのドライバーの二極化が進むでしょう。
女性雇用や高齢化に伴って労働時間の短縮も求められる物流事業者は、IoTとAIを起爆剤に新たな仕組みや構造を作っていくことが必要となる。今本当に必要なのは自動運転より、「Uberのようなイノベーション技術」「ITを活用した教育システム」「事故防止のための先進技術」です。
「企業イメージが人を呼ぶ」
関東交通株式会社 代表取締役社長 保坂 和夫 氏
お客様ファーストで「選ばれるタクシー」を目指して接客研修の効果が出始めていることを実感してきている。ツールド栃木開催時の「サイクルレスキュー」、結婚式用の「ロンドンタクシー」など、新しい企画を積極的に実施することでメディアへの掲載も増え企業イメージアップもできた。就職先として家族も「ファーストなら」と賛成してくれる会社に変わり、応募者の年齢が若くなり未経験者も増えてきた。他のタクシー会社を調査したところ、女性採用には「スマホサイト」「無料託児所」「ご主人がOKしてくれる良質な会社」が必須ということ。人材獲得のための3要素は 1.好な企業イメージ 2.実際の企業実態 3.ネットを使った情報発信と考えてください。
また、ワーキンググループの最新状況も発表されました。当初は5グループでスタートしましたが、WG05は参加者が多くなり、2グループに分割となりました。
WG05A 先端技術による業務効率化
トランコム株式会社 新堀 聡 氏
WG05B 先端技術による業務効率化
株式会社ワカスギ 黒木 洋平 氏
WG04 人材不足の解消
株式会社日立物流 嶋津 慶人 氏
WG03 MaaSへの取り組み
京王電鉄バス株式会社 菅原 鉄幸 氏
WG02 乗務員の健康増進
大塚製薬株式会社 川上 智也 氏
WG01 交通事故の撲滅とエコドライブ
株式会社システム計画研究所 安井 正直 氏
(発表順)